骨折には直達外力(衝撃が直接作用するような外力)または介達外力(例えば手をついて転んだ場合に、そのついた場所ではなく肘辺りが痛くなったりするような伝わってきた外力)または病的な要因による骨折があります。
上記の骨折とは別の、「高齢者に多い骨折」をご紹介します。
高齢のかたの骨折は特に閉経後の女性に多いとされています。それは閉経を迎えると骨を作るような働きをする女性ホルモンの分泌量が急激に少なくなるからです。この女性ホルモンの分泌量が少なくなると、骨粗鬆症がおきやすくなったり骨がスカスカな状態になってしまいます。
また、寝たきりの状態の方など、自分の体重を自分の骨で支えることが少ない人も閉経後の女性と同じように、骨がもろくなります。これは骨にある程度の圧力をかけておかないと、人体が骨を丈夫にしようとしなくなり、カルシウムを別の場所で使うようになってしまうからです。
このような状態になってしまうと、少ない外力によって骨折を起こしてしまうようになります。
高齢のかたに起こりやすい骨折の部位
整骨院では、骨折を疑う症状の場合にまずは応急手当としての整復動作・固定を行います。仮に開放骨折(皮膚の外に骨が出てしまう骨折)のような場合には整骨院での治療の適用外になってしまうので、近くの整形外科をご紹介します。
応急処置がすみましたら、X線などを含めた検査をおこなっていただきます。こちらに関してもお近くの病院を紹介します。この際に神経や血管などに損傷がなければ整骨院での治療が再開できます。
関節を構成する骨同士の関節面が正しい位置関係を失っている状態が脱臼です。
この程度によって完全脱臼と不完全脱臼(亜脱臼)とに分類されます。骨折や、軟部組織の損傷を伴うことがあります。(特に靭帯の損傷は高確率で起こります)
脱臼は外力や、病的な原因で起こります。
脱臼の分類
脱臼の症状
脱臼を起こすと、痛みが激しく、見た目ではっきりわかるほどとても腫れます。そしてしばらくすると皮下出血が起こってきます。また、関節自体も変形して見え、他動的に動かそうとすると弾力のある抵抗が認められます。これは弾発性固定といわれ、ある程度動いても力を緩めるとすぐに元に戻ってしまうものをさします。
脱臼の治療
一刻も早い整復が必要です。おそくとも8時間以内に整復をおこなうべきだといわれています。手当てが遅れてしまうと全身麻酔を行って手術をしなくてはならなくなることもあります。
肩関節の脱臼など、簡単に治るというイメージで初心者が脱臼を整復してしまうことがすくなくないようですが、これは危険なのでやめてください。脱臼時、神経・血管・靭帯・筋肉などの介在があったり、絞約されてしまっていることがあり、これを見逃すと大変なことになります。
骨折と同じく、整骨院では応急処置として、整復・固定をします。
この整復動作で脱臼はもとの関節の位置に戻しますので、自発痛(動かしてもいないのに痛い状態)はほとんどなくなります。
この後、病院などで神経や血管などの検査を受けていただきます。こちらで異常がなければ整骨院で後療法をおこなっていきます。特に固定後に筋肉がかたくなってしまうので、干渉波治療・マッサージ・ストレッチによってその筋肉の回復や、関節の可動域の拡大をおこなっていきます。