日本は腰痛大国で、日本人の8割以上が生涯において腰痛を経験しています。しかし大きな病院などでは、腰痛を訴えているにもかかわらず、画像診断に異常が見られない場合は疾患として認めらず健常者という扱いをされてしまっているようです。
腰痛にもいくつか種類がありますので、そのなかで多いものを簡単にご説明します。
俗にいう「骨盤のゆがみ」ですとか姿勢が悪いなどの理由で起こってくる腰痛です。上の画像にもあるとおり、骨盤は3つの骨から構成されており、この関節部分で痛みが起こることが多くあります。
このような場合は骨盤矯正ですとか、骨を動かしていくようなカイロプラクティック的な治療が効果的です。
これは筋肉などに強いストレスが掛かることで、筋肉が緊張して引き起こされる腰痛です。過度なストレスを強いられると、交感神経(興奮するときに働く神経)は常に活発化し筋肉が常に収縮した状態になってしまいます。余計な他の筋肉などにも力が入ると崩れたバランスを調節しようと腰の筋肉に負担がさらに大きくなり、腰痛が発生します。これが緊張性腰痛です。
緊張性腰痛の原因が筋肉ですので、やはり、筋肉の緊張を緩めるような治療を行っていきます。
3ヶ月以上、腰に継続した鈍い痛みがあるものを慢性型腰痛と定義しています。ストレスなどの心因性要因の関与が大きく、腰の治療とともに、精神面での安定も必要です。
緊急性の高い腰痛もいくつかあります。致死性の高い腹部大動脈瘤&大動脈解離、場合によっては致死性になる腎梗塞、急性膵炎、排尿&排便が困難になることもある、馬尾症候群などが挙げられます。注意を要する腰痛としては、化膿性脊椎炎、結核性脊椎炎、硬膜外膿瘍、椎間板炎などの脊椎感染症や、多発性骨髄腫やがんの骨転移などの悪性腫瘍の骨病変などがあります。
上記のような恐ろしい病気が隠れていることもありますので、単なる腰痛だからと放置するのではなく、腰痛以外の体調の変化も気にしながら医療機関に検査に行くのもいいでしょう。
このような腰痛で、動きに伴って痛みの出るような場合はテーピングによって動きを制限したり、運動するような時にサポーターをつけたりするのも効果的です。しかし、サポーター等をつけ続けてしまうと、腰にもともとあった筋肉がサポーターに頼って弱くなってしまい、新たな腰痛の原因を作ってしまうことになりますので、ご自身の筋肉をしっかりつけることが最重要だということも覚えておいてください。