スポーツ障害とは、運動をすることで起こってしまう障害や外傷(けが)のことを言います。 これらのほとんどが使いすぎ(Over Use)、間違えた使い方(Miss Use)、によって引き起こされます。
使いすぎによるスポーツ障害では長期的に同じスポーツを続けることなどにより、くりかえし身体の一定の部位に負担がかかって起こります。これは、成人だけでなく、成長期の子供にもよく起こります。
間違えた身体の使い方によるスポーツ障害は、フォームの乱れなどにより関節まわりに余計な負荷がかかてしまったり、筋肉の無駄な収縮が起こることによって発生します。こちらは、年齢にかかわらず我流でスポーツをしている人や、初心者によく起こります。
普通は骨折を起こさない程度の小さな力が正常な骨の同じ部位に何度も繰り返し、継続的に加わることで骨が弱り始め、最終的には骨折になってしまう障害のことで、患部の疼痛がおこります。
このような骨折は初期のうちはX線では見分けられないものがほとんどなので、何度かX線を撮り、経過を観察することが重要になってきます。
疲労骨折の治療はギプスでの固定が一般的ですが、症状が軽い時はテーピングやスポーツを休むという処置をとるだけの場合もありますが、場合によっては手術が適用となることもあります。
小・中学生の男児の肩の障害のなかで多いのがこの野球肩「リトルリーガーズ・ショルダー」といわれる障害です。
成長期の肩関節はまだ完全に骨が出来上がっているわけではないので、
どうしても軟骨部分が弱く、度重なるストレスに負けてしまいます。
すると、子供の骨の特徴でもある骨端線というやわらかい成長軟骨と骨との間の部分が開いてきてしまい、痛みを生じます。
治療としては、投球動作を1ヶ月ほど制限し、その間に肩周辺のストレッチを行うことになります。肩周辺をストレッチすることによって、肩関節に無理な力が入らなくなります。
そして骨端線の開きが改善し、痛みがなくなってきたところで徐々に練習してもらいます。
テニス肘とは、ラケットを利用するスポーツで起こりやすい疾患です。
バックハンドで上腕骨外側上顆(肘の外側)またはフォアハンドで上腕骨内側上顆(肘の内側)の炎症を起こした状態のことを言います。。
上腕骨外側上顆炎はバックハンドストロークで発生するため、バックハンドテニス肘、これに対し上腕骨内側上顆炎はフォアハンドストロークで発生するのでフォアハンドテニス肘とも呼ばれます。
いずれも使いすぎによる障害で、ボールがきちんと捕らえられないままラケットを振りぬいたりする初心者や、筋力の弱い中年の女性が手首の力を使ってボールの力に勝とうとするときに多く起こってきます。どちらも手関節の伸筋や、伸筋が骨にくっついている部分に負担がかかってしまうために起こってしまいます。その結果、筋肉や骨膜に痛み・腫れが起こります。これがテニス肘です。
テニス肘になってしまったら、患部を安静に保ちます。
また、腕を使った後などは冷やして、少しでも炎症を抑えるように心がけます。
サポーターをつけてもいいでしょう。
整骨院では、伸筋の緊張を取り除く干渉波・マッサージを行い、患部の状態によっては包帯固定や、テーピングで固定します。
症状が回復してきたら、また痛めることのないように、ストロークの改善や、筋肉をつけるなどの技術をつけていきましょう。
サッカーやバスケなどのスポーツをしていたり、よく走り回る小学生から高校生に起こる疾患です。脛骨粗面(ひざの下あたり)や膝裏に痛みを感じます。
この疾患は膝の屈伸に大きくかかわる大腿四頭筋により骨が引っ張られてはがれてきてしまうことによるもので、まだ発育期の骨の柔らかい時期に急激に筋肉が発育したことが原因になります。しばらくすると、このはがれかけた骨を治そうという人体のはたらきによって仮骨がつくられてくるので、ぼこっとしたでっぱりが出てきます。この一度出来てしまった骨は痛みがとれても無くなりません。
治療法としては、まずは安静です。キックやジャンプ動作は制限をし、大腿四頭筋をゆるめるようなストレッチマッサージを行っていきます。
あまりにも大きな骨片(骨のはがれたもの)がある場合は手術が適応となりますが、しばらくすれば痛みもなくなるのでそれほど心配することもないでしょう。
シンスプリントとは、ランニングなどによりふくらはぎの内側の中1/3から下1/3のヒラメ筋(爪先立ちの時に使う筋肉)の付着部にかけて生じる痛みの事を言い、下腿のランニング障害の最も多い原因の一つです。ヒラメ筋の引っ張りのほかにも、偏平足、筋肉の柔軟性が無い、硬いところで練習した、筋力が落ちた、靴、練習方法によっても起こってきます。
年齢は10代から40代、特に16~17歳ぐらいに多く、女性は男性の約1.5倍の発生頻度です。
原因となるスポーツは、陸上競技、バスケットボール、最近ではエアロビクスなどに多く見られます。また、スポーツ練習量が急激に増加した時に起こる事が多いので、この時期は特に注意が必要です。
シンスプリントの場合は、発症しても完全に休養などはしなくて大丈夫ですが、練習量や内容を改善する必要があります。
練習前後(とくに後のクールダウン時)にストレッチを行ったり、練習後のアイシングはしっかりと行ってください。
下肢の筋肉の強化とストレッチで予防することが出来ます。靴はクッション性のいいものを選び、硬い路面の走行はなるべく避けたほうがよいでしょう。
鵞足とは、脛骨にある縫工筋・薄筋・半腱様筋という筋肉の付着部で、その部分の腱が鵞鳥の足に似ていることから、「鵞足(がそく)」と呼ばれています。
鵞足炎は、鵞足まわりの腱に起こった炎症や滑液包の炎症などを総称したものです。
長距離を走ったり、ジャンプを繰り返したり、、ボールを蹴り出すなどの膝を酷使する運動が発症の原因となります。
また、X脚や、着地時に足が外側を向く回内足(かいないそく)、足に合っていない靴を履き続けることも、鵞足炎を引き起こす原因となることがあります。
鵞足炎になってしまったら、まずは安静です。症状が軽い場合にはストレッチ、アイシング、交代浴などが効果的ですが、痛みが強い場合には湿布や、干渉波治療を行います。
X脚や回内足の人は矯正のための靴の中敷や専用の装具を使ったり、歩き方の矯正、テーピングを行います。
運動を再開するときには十分なストレッチを行い、無理のない程度の運動から徐々に体を慣らすようにしましょう。